印章の文化史 印章の起源Ⅳ(ヨーロッパにおける印章の歴史 NO.2) ローマ帝国崩壊後、印章を使う習慣は一時途絶えます。 11世紀末、カトリック教会諸国によって、聖地エルサレムをイスラム教諸国から奪還する目的で派遣された十字軍の兵士たちは、東ローマ帝国時代の寺院から、彫刻の施された貴石を略奪し本国に持ち帰りました。これらの貴石は始め、指輪・ペンダントなど装身具として使用され、印章としては使用されませんでしたが、その後の中世ヨーロッパにおいて王侯貴族がそれらの貴石を指... 封蝋 指輪型印章
印章の文化史 印章の起源Ⅰ(印章の誕生) 印章の起源は、紀元前3500年頃の古代メソポタミア文明に遡れます。 メソポタミアのシュメール人によって作られた最初の印章は円形状のボタン型のものでしたが、そもそも印章は何のために作られたのでしょうか? 印章のはじまりは、集落の自治構成の中心となる守護神を祭る有力者(神官・王侯)の保護を受けるための献上品の奉納者を識別するためのしるしだったといわれています。 ボタン型のスタンプ印章の図柄は直線で構成... スタンプ印章 封蝋