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印章の文化史
2018/07/02

印章の起源Ⅳ(ヨーロッパにおける印章の歴史 NO.2)

ローマ帝国崩壊後、印章を使う習慣は一時途絶えます。 11世紀末、カトリック教会諸国によって、聖地エルサレムをイスラム教諸国から奪還する目的で派遣された十字軍の兵士たちは、東ローマ帝国時代の寺院から、彫刻の施された貴石を略奪し本国に持ち帰りました。これらの貴石は始め、指輪・ペンダントなど装身具として使用され、印章としては使用されませんでしたが、その後の中世ヨーロッパにおいて王侯貴族がそれらの貴石を指輪型印章として使用するようになりました。

印章の使用は封建社会においては、王侯貴族や聖職者に限られていましたが、13世紀末に一般市民も使用するようになります。それは、ヨーロッパで商業活動が本格的に始まったことに起因しますが、商人の多くが字を書くことが出来なかったため、自分で署名する代わりに印章を使用していたようです。

使用法は封緘(シール)としてで、金属・蝋などを溶かして封をするところに垂らし、蝋が柔らかいうちに指輪型印章を捺します。蝋などが乾くと紙面などから剥がすことが出来なくなります。 印章を捺すための材料として、始めのうちは各種金属が用いられ、ヨーロッパの皇帝の間では金や銀の使用が流行しましたが、後世には蝋が用いられるようになりました。

印面の図案は、人物像の他に騎士像が用いられていましたが、次第に紋章が主流となりました。図案は家系のシンボルとされ、差出人を証明する証ともなりました。

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