印章の文化史 2018/07/31 印章の起源Ⅴ(ヨーロッパにおける印章の歴史 NO.3) 印章の使用は第一次大戦後に少なくなり、現在ではほとんど用いられなくなりました。 それは郵便制度が発達し、糊つきの封筒により信書の秘密性を十分に保てるようになったことや、教育の普及により識字率が上がったことによると考えられています。 ヨーロッパで自筆によるサインが用いられるようになったのは、ルネサンス時代(15世紀頃)からといわれています。署名を表す「sign」の語源は印章を意味するラテン語の「si...
印章の文化史 2018/07/02 印章の起源Ⅳ(ヨーロッパにおける印章の歴史 NO.2) ローマ帝国崩壊後、印章を使う習慣は一時途絶えます。 11世紀末、カトリック教会諸国によって、聖地エルサレムをイスラム教諸国から奪還する目的で派遣された十字軍の兵士たちは、東ローマ帝国時代の寺院から、彫刻の施された貴石を略奪し本国に持ち帰りました。これらの貴石は始め、指輪・ペンダントなど装身具として使用され、印章としては使用されませんでしたが、その後の中世ヨーロッパにおいて王侯貴族がそれらの貴石を指... 封蝋 指輪型印章